【Q&A】赤字でも融資を受けられますか?
こんにちは。元銀行員の岩瀬です。
現在は独立し、主に中小企業の社外財務担当者として資金調達支援などを行っています。
今回は「赤字でも融資を受けられますか?」という質問に対して、私なりの回答をお話ししたいと思います。
※資金調達などでお悩みの方はぜひご相談ください。
赤字でも融資を受けられますか?
結論から言うと、赤字でも融資を受けられます。
中小企業の60%~70%が赤字と言われているため、仮に「赤字だと融資を受けられない」ということになると大半の企業が融資を受けられず、日本経済は大変なことになってしまいます。
ただ、現実的な話としてすべての赤字企業が融資を受けられるわけはなく、中には黒字企業なのに融資を受けられないこともあります。
なぜそういったことが起きるのかというと、銀行はPL(損益計算書)の利益よりも、CF(キャッシュフロー)の返済原資を重視しているからです。
多くの銀行が簡易的に「当期純利益+減価償却費=返済原資」と考えています。
例えば、当期純利益が500万、減価償却費が1000万なら、返済原資は1500万です。
1500万を12ヵ月で割ると、毎月の返済原資は125万となります。
つまり、毎月の返済金額が125万までなら手元の現預金を減らさずに返済できるはず、125万を超えるようなら返済するたびに手元の現預金が減っていくはず、と銀行は考えます。
銀行の内部ではこういった考え方が定着しているため、赤字なのに融資を受けられる、黒字なのに融資を受けられない、といったことが起こるわけです。
そして、財務に力を入れている企業はこういった考え方をうまく利用して、将来に渡って常に有利な条件で資金調達できるように日頃から準備をしています。
資金調達が必要になった時に動き出す企業と、将来の資金調達に備えて日頃から準備している企業とでは、経営の安定性に大きな違いが生まれます。
経理まではしっかりやっているという企業は、ぜひ財務にも挑戦してみてください。
※資金調達などでお悩みの方はぜひご相談ください。
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