目標設定と戦略は別物
こんな会議を経験したことはありませんか?
A社長「先週の実績と今月の目標に対する進捗状況を報告してください。」
B課長「先週の実績ですが、売上は〇万円、契約件数は〇件です。今月の実績は売上△万円、契約件数△件で、今月の目標に対する進捗率は▢%と予定よりも少し遅れています。」
A社長「そうですか。今月も残り少なくなってきましたが、足りない分はどうするつもりですか?見込みはありますか?」
B課長「見込みはありますが確定している分だけだと足りないので、今月中に何とかできるよう努力します。」
A社長「具体的に何か施策などはありますか?」
B課長「まだ決まっていないので、早急に検討して実施します。」
A社長「分かりました。今月は半期の締めなので未達では困ります。必ず達成してください。」
B課長「畏まりました。何としてでも必ず達成させます。」
この事例は社長と課長ですが、課長と一般社員など、どの階層でも同じです。
私が会社員として働いていた企業でもそうでしたし、コンサルタントとして関わるようになった企業でもほとんどが同じような会議を行っています。
この会議の中で気になるのは、目標を達成するためにどうしたら良いかの部分をB課長だけで考えていることです。
経営者が目標設定と戦略を混同している場合にこういったことが起きやすいです。
契約金額や契約件数といったものは、目標であって戦略ではありません。
戦略とは、「目標を達成するためにどうしたら良いか」の部分のことを言います。
A社長が目標を決めて、B課長が戦略を決める、ということも考えられなくもないですが、「B課長が戦略を決める」ということ自体は戦略ではありません。
こういう会議が全社で行われているようなら、経営者は戦略は立てずに目標設定だけ行っている、ということになります。
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