疎かにされがちな計数管理
経営改善計画書を見ると、ほとんどの計画書に計数管理に関する改善項目が載っています。
具体的には、
- 部門別の損益管理を行う
- 案件別、商品別、サービス別の採算管理を行う
- 顧客別の採算管理を行う
などといった項目をよく見かけます。
計数管理がしっかりとできていないと、どうしたら良いのかよく分からないまま経営判断を行わなければなりません。
例えば、以下のようなケースがあります。
事例① 部門別の損益管理ができていないケース
A社は、車の販売も行う自動車整備会社です。
整備部門の売上が伸び悩んでいるため、売上の大きい車の販売部門に力を入れていたが、部門別の損益を出してみると整備部門は黒字で車の販売部門は赤字だった。
事例② 案件別の採算管理ができていないケース
B社は、ビルや工場、倉庫などを中心に扱う建設業者です。
営業活動に力を入れており、売上は順調に伸びていたが資金繰りは苦しかったため、案件別の採算を出してみると採算割れしている案件が多くあった。
事例③ 顧客別の採算管理ができていないケース
C社は、主に工作機械向けの部品を扱う製造業者です。
メイン取引先からの受注が売上全体の半分以上を占めるため、多少無理をして値下げ要請に応じていたが、顧客別の採算を出してみるとメイン取引先からはほとんど利益が出ていなかった。
以上の3つの事例は教科書に出てくるような典型的なケースなのですが、実際に多くの企業で同じようなことが起こっています。
計数管理が不十分だとどうしても経営判断の精度が下がりますし、施策もあいまいになりがちです(〇〇部門の生産性を向上させる、営業力を強化する、など)。
計数管理が苦手という経営者の方も多いかも知れませんが、少しずつでも管理体制を整えていくことが重要です。
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PROFESSIONAL MANAGER GROUP
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