成果主義の難しさ
人事評価制度における成果主義とは、従業員の年齢や勤続年数などに関わらず、個人の出した成果によって評価する制度のことです。
業績を向上させるため、従業員のやる気を引き出すため、といった理由で導入されることの多い成果主義ですが、うまく行かないケースも散見されるため安易な導入には注意が必要です。
成果主義のメリットやデメリット、運用上のポイントなどは以下の通りです。
メリット
・従業員のモチベーションが向上する
個人の成果が直接的に給与やボーナス、昇進などに結びつくため、従業員のモチベーションの向上が期待される。
・公平に評価できる
評価基準が明確なため、公平な評価を行いやすく、従業員からの納得感も得やすい。
・人件費を抑えられる
成果を上げなければ報酬が上がりにくい仕組みのため、会社全体のとして見たときに人件費の総額を抑えやすい。
デメリット
・個人主義になりがち
チーム全体より個人の成果を重視する傾向が強くなるため、チームワークが希薄化したり、スキルの継承がされず、業務が属人化しやすい。
・評価に結びつかない業務は軽視される
営業活動には力を入れる反面、契約手続きや入金の管理を疎かにしたり、短期的な成果のみを求めがちになる。
・数値で判断できない業務は評価しにくい
営業や製造などの業務は数値で判断しやすいが、バックオフィスや研究職などの業務は適切な評価が難しい。
運用上のポイント
・適切な評価基準を定める
個人の成果で評価を行うため具体的な評価基準が必要となる。
・部署ごとに評価項目を設定する
全ての部署で同じ評価項目を利用することは現実的でないため、部署間のバランスも考慮して設定する。
・報酬制度を整備する
成果主義を反映させた報酬制度が必要となる。
・業務プロセスも評価対象とする
数値だけでなく、成果に至ったプロセスも評価対象とするとより公平な評価に繋がる。
・他の制度も組み合わせる
他の制度も組み合わせて成果主義のデメリットを補えるような工夫をする。
まとめ
成果主義には、従業員のモチベーション向上や人件費を抑えられるメリットがある一方、個人主義になりがち、評価に結びつかない業務は軽視されるといったデメリットもあります。
成果主義を導入する場合には、部署ごとに評価項目を設定する、業務プロセスも評価対象とするなど、自社の状況に合わせて工夫するとうまく行きやすいです。
この記事を書いた人
|
|
PROFESSIONAL MANAGER GROUP
|