目標管理制度の運用上の注意点
目標管理制度は元々、ドラッカーが提唱した「目標による管理と自己統制」という概念から生まれたマネジメント手法です。
一般的には、マネージャーとメンバーが話し合ってある期間の目標を設定し、期間終了後に目標の達成度合いにより評価する、という形で運用されています。
目標管理制度は何を目標にしてもいいため運用の自由度が高く、国内の多くの企業で導入されています。
目標管理制度には以下のようなメリットがあります。
①自律的な行動を促しやすい
マネージャーとメンバーが話し合ってある期間の目標を設定するため目標を設定する手間はかかるが、一度目標を設定してしまえば後はメンバーに自由に考えさせることができる。
②改善点を伝えやすい
マネージャーとメンバーが定期的に話し合う機会が生まれるため、その場を利用して改善してもらいたい点を伝えられる。
③納得感を得やすい
事前に目標を設定しておくため、目標の達成度合いにより評価でき、納得感を得やすい。
逆に以下のようなデメリットもあります。
①運用の自由度が高すぎる
目標を自由に設定できるため、「生産性を向上させる」、「新規営業に力を入れる」といった曖昧な目標になったり、明らかに達成困難だと思われる目標になったりすることがある。
②メンバー間の調整が難しい
メンバーによって目標が異なるため、低い目標を設定して高い評価を得るメンバーや、高い目標を立てすぎて低い評価を得るメンバーが出てしまう。
③評点の配分が難しい
目標管理制度と評価報酬制度を連動させて運用している企業が多いが、報酬に使える原資には限りがあるため、目標をすべて達成できたとしても高い評価が得られないこともある。
目標管理制度に限らず、どの制度にもメリットとデメリットがあります。
目標管理制度は運用の自由度が高い分、運用の仕方によって成否が分かれやすい制度ですので、メリットとデメリットを理解した上で運用していく必要があります。
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