経営がうまく行かないのは従業員のせい?
「次回の全社会議で従業員にダメ出しをしてきます。」
ある経営者から相談を受けたときに聞いた言葉です。
詳しく話を聞いてみると以下のような内容でした。
- 直近2期連続で赤字で、このままだと今期も赤字になりそう。
- 複数のコンサルティング会社から支援を受けており、経営改善計画も作成し、いろいろと施策に取り組んでいるが目標に届いていない。
- うまく行かない理由は、従業員のやる気がないからだ(やる気だけでなく能力もないと言っているようでした。)。
- 3期連続で赤字になると金融機関からの評価も下がるので、このままだとボーナスも減らさないといけなくなる。
- だからもっと頑張ってやってくれないと困る。
ということでした。
相談の中で経営者から、「これまでの自分のやり方や考え方を見直す必要があるかも知れない。」という話もあったのですが、自分に非があるとは考えていなかったのかも知れません。
「全社会議の場でダメ出しをして、従業員のやる気が出るのでしょうか?」
「ダメ出しをされるべきなのは、従業員ではなく〇〇社長ではないでしょうか?」
と言いたい気持ちをこらえて、その相談は終わりました。
私は経営がうまく行かないのはすべて経営者のせいだと考えています。
明らかに従業員に非があったとしても、それを未然に防げなかったり、適切に対処できなかった経営者のせいだと考えるようにしています。
その理由は、経営者以外の誰かや何かのせいにしても、根本的な問題が解決しないことが多いからです。
今回のケースで言えば、「従業員のやる気がないからダメなんだ」ではなく、「従業員のやる気を引き出せない経営者のやり方に問題がある」と捉えれば、何か解決策が見つかったかもしれません。
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