マネジメントスタイルは段階を踏んで変わっていく
組織が成長するにつれて、組織に合ったマネジメントスタイルは変わっていきます。
一般的には以下のように言われています。
①創業期(従業員0人~10人)
経営者が従業員全員の動きを把握できるためルールやマニュアルを作る必要はなく、何かあればその都度指示を出していきます。
良い意味でも悪い意味でも経営者次第と言えます。
従業員が増えていくと経営者一人で管理できなくなるため、経営者からの指示をずっと待っていたり、指示を待たずに勝手に行動する従業員が現れるようになります。
②成長期(従業員11人~50人)
経営者一人で管理できなくなるため、権限を委譲された「管理職」が置かれます。
管理職の役割は経営者の目が届かない従業員の管理ですが、組織の方向性がはっきりと決まっていないことも多いため、具体的な業務内容をまとめた細かいルールやマニュアルで管理する必要があります。
このマネジメントスタイルに慣れていくと従業員は次第に自分の頭で考えなくなっていくため、自立した従業員を育てようということになります。
③拡大期(従業員51人~200人)
経営者が決めたことを従業員にやらせるだけでは成果が上がりづらくなってくるため、目標と目標達成時のインセンティブを示したうえで、与えられた権限の範囲内で従業員が自由に判断できるようにさせます。
そうすることで基本となるルールやマニュアルを守ったうえで、従業員が自律的に行動することを促すことができます。
以上が一般的なマネジメントスタイルの変化の流れですが、中小企業でよく問題になるのは、「②成長期」を疎かにして(または飛ばして)、「③拡大期」に行こうとすることです。
経営者が「②成長期」を飛ばそうと考える一番の理由は、経営者自身が自由が好きだからです。
ルールやマニュアルを作ることを煩わしく思ったり、経営者によっては時間の無駄だと感じる人もいます。
また、本を読んだり誰かの話を聞いて、理想を膨らませすぎていることもあります。
ただ、現実的に多くの従業員は自由を与えても自律的に行動せず、自由であることを負担に感じます。
むしろ、事細かにすべて指示を出してくれることを望んでいる従業員の方が多いでしょう。
ルールやマニュアルがきちんと整っておらず、人によってやり方が違うような状況でいきなり自由を与えてもうまく行かない可能性が高いため、段階を踏んでマネジメントスタイルを変えていく必要があります。
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